【入院6日目】【術後4日目】②オペ中の写真を確認。本当にポリープがない。
主治医が待っていて「どこ行ってたの?」と聞かれる。
お金を用意しに行って、急いで戻ってきたことを伝えると元気になったことが嬉しかったようで笑っていた。
面談室に入り、主治医がIDカードを通すと置いてあるPCで患者のカルテや写真が見られるように設定してあるようだった。
「あ、ペン忘れた!」と主治医が慌てて立ち上がったので私のペンを貸してあげた。
これは「医者あるある」のようで、よくナースステーションで看護師が「○○先生にペン貸したけど返ってこない」とぼやいているのを聞いた。
「あ、書きやすい。いいなー、これ」と気に入っている様子。
でもそれは私も気に入っているので絶対に回収します笑
PCの画面には、数枚の写真。
自分の体内とはいえ、ダメな人はダメだろうな、と思うような画像。
私も母も平気なので、近づいてガン見する。
体内は真空パック状態になっているので、隙間を空けるために炭酸ガスを入れてお腹を膨らませている。
そこにライトやカメラがついた器具を入れているのだが、こんなにハッキリ、キレイに見えるのかと驚く画質。
そして1枚ずつ、画像にはしっかり秒単位の時間と、誰が何をしているのか記載されている。
まず目に入ってきたのは、水風船みたいにパンパンになった胆嚢。食事をしていなかったので、胆汁が満タンの状態。
胆嚢から胆管につながるあたりを器具でグッと掴んで、その後肝臓から剥がしにかかっている。
「これね、普通はすぐ剥がれるんだけど、なんかしっかりくっついていて、時間かかっちゃったんだよね」という。
予想よりも手術に時間がかかった理由はこれらしい。
そこから胆嚢を切り離すところ、取り出すところなどを順番に説明される。
自分の体内を見ることなんて滅多にないから、興味津々。
切り離したところは医療用のクリップで止めてあった。
問題はこの後。
主治医からすでに聞いてはいたが。
取り出した胆嚢を切り開いたところ「ポリープがない!」と大騒ぎになったらしい。
切り開いた場面の写真もあったが、本当にない。
でも色々な検査をして実際にポリープが10mm以上あると分かって、がんの可能性もあるから手術に踏み切ったのに。
手術前に何かのタイミングで落ちて流れてしまったのか、器具で掴んだ時に落ちたのか、分からないという。
普通はポリープの部分だけ病理検査に出すが、それがなく、もしかしたら何かの組織だけ残っている可能性もあるので丸ごと検査に出した、と言っていた。
結果は1週間後に聞きに来てね、と言われて終了。
母はあまり納得がいっていないようだった。
自分は胆石で胆嚢を摘出しており、手術後に石を渡されたらしい。「これを取ったんだよ」みたいなものがないと
納得できないとのこと。それはそうだろう。
落ちたポリープが体内に残っているのでは?どこかに引っかかっていたらどうなるのか?など質問している。
手術中に体内に石を落としてしまうケースは稀にあるらしい。
最悪、再手術ということもなくはないというので少し不安になるが、どこか痛むようならすぐ受診してください、念の為3ヶ月後くらいにCT撮りますと言われて終了。
傷口に貼ってある大きな絆創膏も、帰ったらもう剥がして入浴していいとのこと。
その後、ペンは無事回収。
「あのさー、旅行会社に勤めているって言ってたけどどこ?」
と唐突に聞かれる。今日はオペがないと言っていたから、本当に時間に余裕があるらしい。
「今、大変なんでしょ?」
「従業員何人くらいいるの?店舗っていくつあるの?」
色んなことを聞かれた。
それ、今じゃなくて入院中に聞けばよかったのに。
学会とか出張の時に利用しようと思っているのかも。
名刺を持って来ればよかった。
その後、支払いなどを済ませて無事に退院。
帰宅してまずは入浴。絆創膏を早速剥がしてみる。
傷口は全部で4つあり、どれも横幅2センチくらいだろうか。
脇腹の2つは割とキレイに治りそうだったが、うち1つはベルトが当たりそうな位置。
みぞおちの下あたりの傷は少し大きく、しばらくワイヤー入りの下着は無理そう。
おへそは少し痛い。ストッキングは無理かも。
仕事は基本スーツ着用だったが、最初はワンピースで行かないとダメかもしれない、などと思っていた。
その後大量の洗濯をし、荷物を片付けたりしていたが調子に乗らずに横になりなさいと母に叱られた。
本当に、うっかり重いものを持ち上げてしまいそうなくらいに元気。
無事に我が家に帰ってこられて本当に良かった。